《ひょうごの巨樹・巨木100選・散策回顧録》
「ひょうごの巨樹・巨木100選」 NO.72
巨木 「上森神社のシラカシ」 (2020.3.31 撮影)
・幹周/4.90m
・根周/6.4m
・樹高/19m
・推定樹齢/450年
「上森(かみもり)神社」
境内に自生するシラカシに会うため、急勾配の上、少し長い石段の参道を上がります。
当日は、山腹に自生する樽見の大桜とアべマキを見た後、ここに来たので、相棒も少々お疲れの様子です(笑)
シラカシは、石段を上がり切った左手にありましたが、残念ながら、散策時より約9年前に倒壊して影も形もありませんでした。
(資料より)
神社の境内には約60本のシラカシが生育する林になっています。その中でも最大の巨木でした。
シラカシは、平成23年1月11日の朝5時、地上から4.7メートルの位置で折れて倒壊しました。樹勢が旺盛で枝張りがよかったために、枝に多くの雪が積もりました。幹は直径1.4メートルありました。 しかし幹の内部は腐って空洞になっていました。
樹木の木材部は幹の周囲に厚さ20センチメートルあるだけで、内部は直径1メートルの空洞になっており、大木になると幹に水が入って腐って空洞が出来易すくなります。大きな空洞のある幹が、雪の積もった枝を支えきれなかったのでしょう。
上森神社の境内は、集落から約20メートル高い場所にあります。このため幹の上部は枝がついた状態で、13メートル東側の集落側に吹き飛ばされて落下して参道を塞ぎました。しかし、幸いにも近接する住宅には転落せず、被害は免れたそうです。
(資料の画像)
折損した幹
幹の内部は、ほぼ空洞化してます。
当日は積雪が多かったのか、集落は一面雪に覆われています。
いくら空洞化していたといっても、これほどの巨木が、小枝や葉に積もっただけで、折損や倒壊するなんて。 おそるべし雪の力!!
倒壊した樹木
倒壊する前から、根元周りはかなり腐っていたみたいです。
まともに、石段や手すりの上に倒れて、手すりが変形しています。
(資料の画像から)
倒壊前のシラカシ
約12年間、兵庫県内を満遍なく散策し、現存65本、幹のみ2本、根株2本、消滅3本の計72本を現認し、投稿することが出来ました。
今後、散策出来るのは2〜3本くらいでしょうかねぇ。
これまでの散策で思うことは、自然という敵(台風、雷、豪雪など)にも屈せず、何百年という長い年月、ずっと地元の暮らしを見守り見続けた樹木は、忍耐力と生命力は凄いという他になりも言うことはありません。本当に頭が下がります。
樹木に比べたら、人間の一生なんで本当に短いものですね。
また特に100選に入っている樹木は、神社・寺院の境内に多く自生しており、私にとっては、神社・仏閣を散策するのも趣味の一つですので、一石二鳥で有意義な散策が出来たと喜んでいます。